元ICU看護師のけいなです!
私は、新卒でICUに配属されました。
病院に就職後、何か所かの部署で研修がありました。
どんな雰囲気なのか?しっかりと知ったうえで配属先の希望をとるという仕組みのある病院でした。
この記事では、なぜ新人時代の私がICUを選んだのかを書いていきます。
Contents
研修前の希望配属先は「小児科」
私は、大学生のときから保健師になりたいと思っていました。
行政保健師であれば、母子保健などで妊婦さんや褥婦さん、新生児~3歳児など、母親と子供にかかわることが多いだろう、と思い
小児科での学びをその後に活かしたいと考えていました。
しかし、実際に小児科にいくと・・・
「新卒ではとらない。」
「子供がいる母親しかいない」
と、新卒&独身の私には配属の権利すらありませんでした・・・
小児科で働く看護師をみて思ったのは、
・母親、子持ち
・30代以上
・仕事が終わったらすぐに帰る
・夜勤が楽そう
でした。
採血研修をしたあとに小児科で研修だったので、
生まれて初めての実際の採血は0歳児でした。
今でもやらないのに、よくできたな、と思います。
タオルでミノムシみたいに体を抑え込んで、
ムチムチの手背への採血は・・・なぜか成功しました。
実際に小児科で研修した結果。
直感的に、そこまでの魅力を感じることができませんでした。
看護師の態度や全体の雰囲気が良くなかったのもあります。
小児科を選ぶ理由がなくなりました 。
ICUでの研修
ICUでの研修は、
患者さんの姿をみて、衝撃をうけました。
意識はないし
体にはたくさんの管でつながっている
これを「スパゲティ症候群」と呼ぶと知りました。
スパゲティ症候群とは?
・口には管が入って人工呼吸器に繋がれている。
・鼻には栄養のためのチューブが入っている。
・首にも腕にも管が入っている(中心静脈カテーテルや抹消留置針からの持続点滴)
・点滴の数の多さ!!!(輸液ポンプ4台にシリンジポンプ8台とか)
・手首にも管(Aライン)
・胸には心電図、指先にはパルスオキシメーター
・尿の管が入っている
![f:id:kinakomochi-ns-life:20190706220053p:plain f:id:kinakomochi-ns-life:20190706220053p:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kinakomochi-ns-life/20190706/20190706220053.png)
新人の私はまだ医療者側の視点ではなく、家族側の視点に近かったです。
・かわいそう
・これからどうなるの?
・こんな姿見ていられない
ICU看護師はかっこいい
そんな重症患者さんをみているICUの看護師さんは、とてもかっこよく見えました。
・モニターアラームを受けた患者さんへの対応
・たくさんある点滴類の管理
・患者さん家族への接し方
一番すごい!と思ったのは、
・看護師と医者が同じレベルの話をしている
・看護師からこうしたほうがいいのではないか、と医者に提案をしている
ことでした。
私にそんなことができるのだろうか・・・?
と思っていましたが、
3年目になった私は、多少なりとも医者に提案ができるようになりました。
ICUでの研修で一番感動したこと
「重症呼吸不全でECMO管理をしていた方が、ECMO離脱をして、
車いすに乗って一般病棟に退室することができるまでに回復した姿をみたこと」
でした。
新人の私にとって
ECMOというものは恐ろしいものでした。
(気になった方は「ECMO 画像」で検索してみてください)
2センチくらいの太さのある管が、首や大腿に入っていて、
1分間に3~4Lもの血液を体の外にだして、
人工肺を通ってガス交換を行い、
酸素化や二酸化炭素の排出ができた血液を体にもどす。
超超超重症患者!!
ECMOなんて、相当大きな病院のICUでないとみることはできないと思います。
ECMO患者の家族に、
「かかりつけの病院で、ECMOを使って治療をしていると言ったら、先生も看護師さんも知らなかったんですよ。辞書を引いても載っていないって。」
と言われたので、一般的ではない治療なんだな、と思いました。
超超超具合の悪かった患者さんが、
目が覚めて
意思疎通が図れるようになって
命を守るために使っていた生命維持装置をなくしても、生きている。
それまで寝たきりだった人が
車いすに乗っている。
お話ができる。
そんな様子をみて、感動したのをよく覚えています。
それが、「ICUっていいな」と思ったきっかけだったのかもしれません。
ICUを選んだ理由
① 専門的知識を身に着けることができる
② 根拠のある看護ができる
③ 幅広い疾患の患者さんをみることができる
④ 急変時の対応を学べる
⑤ 患者さんと密に関わることができる
⑥ 最初にICUで経験できれば、どこに行っても通用しそう
⑦ 転職するときにアピールになりそう
①専門的知識を身に着けることができる
ICUでは、一般病棟よりもさらに踏み込んだ知識が必要になります。
そんな専門的知識を養いたいと思ったのもICUを選んだ理由です。
実際、もしICUでなかったら勉強しなかったし知らなかっただろうな、という知識もたくさん得られたと思います。
②根拠のある看護ができる
根拠を知らなくても、看護はできます。
しかし、根拠のある看護は治療に繋がります。
ICUの先輩方はみんな根拠のある看護をしていて、
私もそんな看護がしたい!と思いました。
③幅広い疾患の患者さんをみることができる
私のいるところでは、重症であればなんでもきます。
呼吸器、循環器、脳神経、消化器、腎・泌尿器、皮膚、整形・形成、小児
などなど。
すべての科を勉強する必要があります。
一つの科を極めるのではなく、幅広く学べることが魅力だと思いました。
④急変時の対応を学べる
ICUの患者さんは、急変のリスクが高いです。
いつでも急変する可能性があります。
急変したときにすばやく行動できたらかっこいいですよね。
そんな人になりたいと思ったのもICUを選んだ理由です。
⑤患者さんと密に関わることができる
私がいたICUは、基本的には2対1でした。
つまり、一人の看護師は最大2人までの患者さんをみます。
それが決まりです。
急性期の一般病棟では一人の看護師が約4~7人の患者をみているようでしたが、
ICUでは、特に新人であればはじめは1人受け持ちです。
1人の患者さんと向き合って、必要な看護をすることができます。
1人の患者さんに対して費やせる時間が多いことが魅力だと思いました。
⑥最初にICUで経験できれば、どこに行っても通用しそう
⑦転職するときにアピールになりそう
専門的知識があって、すべての科を知っていて、急変時対応に慣れていたら・・・
転職に有利な気がしません????
どこでも通用できそうな気がしません????
ICUでの経験は、転職活動での強みになる。そんな魅力があると思いました。
実際はどうなんでしょうか???
3年目になりたてのときに、産業保健師になるために職務経歴書を書きましたが、ICUでの経験はアピールできることが多く、書類選考はすべて通過できました。
新卒でICUに配属できてよかった!
新卒でICUってどうなの?という人もいるかもしれません。
しかし、私はICUに配属されてよかったと思っています。
たくさんの勉強ができ、たくさんの経験を積むことができました。
看護師としての基礎を作っていただけたICUにとても感謝しています。
ICUでの出来事はまた別の記事に…
以上、新人の私がICUを選んだ理由でした!